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帰化した場合の苗字
帰化した場合の苗字
帰化とは、日本以外の外国に籍を持っている人が日本の国籍を取得することを言います。このためには、法的な手続きとして、その旨を法務大臣に申請するために書類を提出する必要があります。
その書類には、帰化後の“本籍地”や“氏名”を記載する欄があります。本籍地は、現在住んでいる場所や配偶者が日本人の場合はその人に合わせる人ことができます。
しかし、名前は外国で使っていたものがそのまま使えるというケースばかりではありません。その際には、苗字を新しく考える必要があります。では、その際にはどのようにして決めるのでしょうか?
苗字の決め方
氏名の中でも名前に関しては、「子の名に使える漢字表」の中に記載のある漢字の中から選ばなければならないという決まりがあります。これは日本人と同様で、その中にない漢字を使用した時には訂正を求められます。
しかし、苗字に関してはこのような細かいルールは基本的にはありません。戸籍法施工規則別第二に記載のある漢字・ひらがな・カタカナであれば、どんなものでも構いません。
外国の中でも帰化している人が多いのが、韓国や中国です。この2つの国には日本と同じように漢字が存在します。ですが、これまで外国で使っていた名前の漢字に準えてつける必要はありません。また、その外国名を日本語読みにしてつけるという必要もないです。
何の制約もなく自由に決めることが可能ですので、中には縁起の良い氏名にするために、字画を調べてもらって決めるという人もいます。
基本的に一度登録すると後から変更することはできない上に、苗字はこれから子孫が引き継いでいくものでもあるので、よく考えてから慎重に決めるという人も多いです。
では、韓国と中国から帰化した人に多い苗字はどういったものがあるのでしょうか?
韓国から帰化した人に多いのは?
まず1番多いのが「新井」です。これは元々韓国では「朴」だった人が選ぶことが多く、それには理由があります。この「朴」を名乗る人の多くが、祖先は新羅国を作った「朴赫居世」だとしており、この人が井戸の近くで生まれたことから新羅国の“新”と井戸の“井”をとって「新井」と決めるそうです。
次に多いのが「木下」です。これは単純に「朴」を分割すると“木”と“下”になる理由からつける人が多いようです。
韓国は、日本と違いさまざまな種類が存在せず、多くの人が「朴」です。ですので、決める際に選ばれる文字には似たような傾向が見られます。
中国から帰化した人に多いのは?
多い傾向があるのが、「大城」や「大友」です。理由として1番考えられるのが、中国では「王」という氏名の人が多いということです。
中国のランキングの中でも「王」は1位になるほど、たくさん使われている文字です。この「王」を日本語発音した時に、氏名として近いものを選んでつけている傾向があります。
これ以外にも「山」を使ってた名を付ける人も多いです。中国に多い「宋」や「呉」の漢字を分解することで、「山木」や「山口」とします。
韓国と違って中国は人口も多く、さまざまな氏名が存在しますので、文字だけでは一概には言えない部分もあります。しかし、韓国と同様これまで使っていた漢字を工夫して付けることが多いのは事実です。
苗字に使用できない文字
特に規則はなく自由に決められると言っても、使用できない文字は存在します。
漢字の場合、常用漢字や人名用漢字に表記のないものは使うことはできません。ですので、韓国や中国などの漢字が存在する地域の国籍である場合でも、漢字によってはそのまま使えないこともあります。
そして、日本の漢字であっても、例えば“はしごだか”と呼ばれる「髙」などは使用することができません。新しく日本国籍を取得する時には、この場合であれば簡単な方の「高」にすることになっています。
この字以外にも、同じように簡単な方を選択しなければならない漢字がありますので、少し特殊な漢字を使う場合には注意が必要です。他にも、カタカナは認められていますが、アルファベットやハングルなどの外国文字も認められていないため使用することができません。
まとめ
帰化する時には、新たに日本で生活するための苗字が必要になります。その際に、ある程度は個人が自由に決めることを許されています。
しかし、自由に決められると言っても、韓国人や中国人がつける氏名の傾向を見てみると、それまで使っていた文字を使って決める人が多いことがわかります。
ですので、多くの場合、全く何も関係のない文字は使わないということです。同じ漢字でも、日本では使用できない文字もありますので、そのあたりは読み方が近いものを使って付けるようです。
なかには、これまでとは違った人生を歩むという意味を込めて、全く元の氏名とは関係なく付ける人もいます。
どちらにしても、苗字はこれから日本人として生きていく中で、子孫まで引き継がれる大切なものです。1度申請すると変更ができませんので、慎重に決める必要があります。